あせび

茎・葉を利用

アセビ(馬酔木)はツツジ科の常緑低木で、高さは3mくらいになり、葉は枝の先に互生します。花は枝の先に房咲きになって垂れ下がり、白色のつぼ状の花は先端が短く、5裂します。本州・四国・九州各地に自生し、また栽培されている日本特産の植物です。

『万葉集』に10首の歌があるように、古くから日本人に愛されてきました。江戸時代の終わり頃からは欧米にも渡り、観賞用として栽培されるようになりました。

歴史が長いだけあって、その呼び名も様々で、『万葉集』ではアシミ、『古今集』ではアセボあるいは馬酔木(バスイボク)などと呼ばれています。アセビは『枕草子』に出てくる名ですが、土佐の方言という説もあります。アセビは有毒で、馬酔木という名前は「馬がこれを食べると酔ったようになる」ということから和製漢字が造られました。同様にアシミ・アセボ・アセビは、人が誤って食べると足がしびれることから「アシシビレ」が変化したものであるとも言われています。

他にも、鹿が誤ってこれを食べると、不時に角がとれるので、鹿はこれを知って食べず、そのため奈良の春日野では、アセビだけが残って多く繁殖したという説もあります。

人間はこの毒を利用して、かつては殺虫剤として使用しました。

葉の有毒成分としては、苦味質のアセボトキシン、グラヤノトキシンVやアセボチン、アセボクエルチトリンが含まれます。花にはクエルセチン、毒性の強いピエルストキンA・B・Cなどがあります。

これといった採集時期はなく、必要な時に葉や小枝を取って、日干しにして保存します。

使用するときは、よく乾燥した茎や葉を10倍の量の水で煎じ、この煎じ汁だけを更に10倍の水で薄め、冷めてから作物に散布します。

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