えごま

 葉を利用

エゴマ(荏胡麻)名前にゴマを冠しますが、ゴマ科ではなくシソ科の一年草です。見た目もシソによく似ていて、独特の香りがあります。

朝鮮半島ではこの香りが好まれ、焼き肉を巻いて食べるなど、エゴマは極一般的な食材です。日本では、東北など一部の地域では食用に用いられてきましたが、一般的にはこ香りが好まれず、一般的には食用にはされませんでした。しかし、1990年代に、現代人に不足しがちなα-リノレン酸をはじめ、カルシウム、ビタミン、食物繊維が豊富ということで、「シソ油」の名前でエゴマ油が食用として販売されるようになりました。

エゴマは、インドの高地や中国中南部が原産とされ、朝鮮半島を経て、日本に伝えられていたといわれます。弥生時代の遺跡からエゴマの種子が出土しており、かなり古い時代に日本に入ってきたと考えられています。エゴマの別名ジュウネンは、エゴマを指す中国語や朝鮮半島の言葉が訛ったものとする説もあります。他にシロジソともいわれます。

エゴマの種子は35〜40%の油性成分を含みます。菜種油が普及するまで、エゴマから採った荏油(えあぶら)は、灯火用に利用されてきました。もともと灯火は、エゴマより先に入ってきたゴマから採った胡麻油を用いていましたが、栽培や搾油の手間が掛からないエゴマが普及しはじめ、現在の関東地方に当たる東国で盛んに栽培されるようになりました。927年に書かれた『延喜式』に、東国(あずまのくに)から荏油が献上されたという記録があります。関東には、荏原、荏田、荏田原など、荏の付く地名が多くありますが、これはエゴマの産地であった名残です。目黒川も昔は、荏川と呼ばれていたそうです。

荏油は、灯火以外にも利用されてきました。和紙に荏油を塗って防水し、雨傘や雨合羽などの雨具を作ったり、漆の混和剤や家具のつや出しにも用いられたりします。

需要の減った現在では、エゴマは雑草化し、空き地や路傍で見ることができます。野生化したエゴマの中には、突然変異によりレモンのような芳香のあるレモンエゴマなどもあります。

エゴマは生薬名を荏(え)といい、葉を薬用に用います。葉の採取は秋とされますが、生で使用するので、葉が新鮮な内はいつでもよいでしょう。

エゴマの葉には、殺菌性の精油成分ペリラケトンが含まれます。

いんきん・たむしなどの真菌性の感染症には、新鮮なエゴマの葉の汁を直接患部に塗ります。

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