がま

雄花の穂を利用

ガマ(蒲)はガマ科の植物で、廃田、休耕田、沼池、川のほとりなどに自生しており、高さは3mにも成長します。日本には大型のガマの他、コガマと、雄花と雌花の集まりの間に茎の見える部分がつくヒメガマの、合計3種類が自生しています。 ウナギの蒲焼きは形が「蒲の穂」に似ていることから名付けられたものですが、これは昔うなぎを開かずそのまま串に刺して焼いていたことによるようです。

ガマと言えば、『出雲風土記』の中の『因幡の白ウサギ』の話が有名なお話です。日本人なら誰でも知っているこのお話の中では、ワニ(サメ)に毛をむしられた白ウサギが、大国主命の教えに従って、ガマの穂にくるまっていたら、傷が治癒したという話が出てきます。

この話からガマの穂には傷を治すはたらきがある、と思っている方も多いようですが、実は止血血行促進の働きがあり、傷の治癒を促してくれるのはガマの穂ではなく、ガマの花粉 です。実った種がびっしり詰まったものが穂で、秋も深くなると穂が風に吹かれて、ひとつひとつの種が落下傘のように舞って行きます。この穂になる部分は雌花のあつまりで、その上の部分の少し細くなったところには雄花がつきます。夏の始め頃、雄花から黄色い花粉が出ます。因幡の白ウサギが身体につけたのは、この黄色い花粉でした。

従って、採集は秋ではなく、夏の開花時期に行います。雄花の穂だけを切り取り、布袋に入れ、袋の上からたたいて花粉を集めます。集めた花粉は飛ばないように注意しながら干してから保存します。

ガマの穂は漢方でも使用しますが、生薬名を蒲黄(ほおう)と言い、これからも黄色いガマの花粉を使うことがわかります。

ガマの花粉の主成分はヒトステロールとイソラメネチンです。

消炎利尿止血には花粉を乾燥させたものを3〜9g服用します。 口内炎の出血には花粉を湯か水で口に含みます。 切り傷の出血やけどには直接散布します。

産後の悪露が下りない場合、ガマの花粉を使います。これは子宮を収縮して排泄を促すはたらきがあるからです。出産後に効果的なガマですが、言い換えれば、妊婦には使用してはいけない ということです。

中医学では血行促進には生を、止血には煎ったものを使用します。

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