| はこべ |
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| ハコベはナデシコ科の越年草で、生薬名を繁縷(はんろう)と言います。各地の道ばたや田畑など少し湿り気のある場所なら、どこでも平らに広がって繁殖します。特に春から夏にかけて盛んに伸びますが、暖かい日溜まりなどでは真冬でも花をつけていることがあります。5弁の白い花弁はそれぞれが深く2裂しているので、10弁のように見えます。 古くははこべらと呼ばれ「春の七草」のひとつに数えられています。はこべらの語源は茎葉をこじんまりと広げることから葉配りと呼ばれ、これが変じてはこべらになったという説があります。 採集は主に春から夏に行います。 はこべの成分はまだよく研究されていませんが、古くからはこべ塩は歯磨きに用いられていました。『和漢三才図会』(1713)では、 「生のはこべをしぼってとった青汁を塩とともにアワビの貝殻に入れて焼き、乾けばまた青汁を加えること七度に及ぶ…」と あり、こうしてできあがったハコベ塩を指先につけ歯を磨いたとありますから、はこべは薬用歯磨きの祖先ということもできます。 歯茎の出血・歯槽膿漏の予防に用いる場合は、はこべ塩を使用します。はこべの全草をミキサーやジューサーで砕いて青汁をとり、これを油気のないフライパンで食塩適量を加えて、焦がさないように乾燥するまで火にかけます。こうして出来上がったものが現代版はこべ塩です。これを指先につけて歯および歯茎を磨きます。 また、塩のかわりに焼いた卵のからをすりつぶしたものをつかって粉末をつくるとおできの治療に用いることができます。 このほか、はこべには利尿作用もあるので、煎じ薬として使用することもできます。全草30gを400mlの水で半分になるまで弱火で煎じ、これを1日3回に分けて服用します。 |