はとむぎ

種子を利用

ハトムギ(鳩麦)は、熱滞アジア原産のイネ科の一年草で、日本各地で栽培されています。ハトムギという名は意外に新しく、明治時代に鳩が実を啄むことから名付けられました。ハトムギは享保二年(1717年)頃、中国から我が国に入ってきましたが、栽培がいいと多くの収穫があったため、当時はシチコクムギ(七石麦)と呼ばれたり、渡来先の国名を冠してチョウセンムギトウムギなどとも呼ばれていたようです。この他、生薬名の薏苡仁(よくいにん)を用いることもあったようです。

ハトムギはイネ科のジュズダマ属の植物で、空き地などに生えるジュズダマと同じ仲間です。そんため、ジュズダマと混同する方もいるようですが、ジュズダマは多年草で、冬に地上部が枯れても、春には地下の根から芽吹きます。果実もよく似ていますが、ハトムギはイネのように頭を垂れるのに対し、ジュズダマは空に向かって真っ直ぐ伸び、果実の表面もハトムギが軟らかく手でつぶせるのに対し、ジュズダマは硬くてつぶせないという違いがあります。またジュズダマは山野に自生しますが、ハトムギは栽培が必要です。

ハトムギは4月に種を蒔き、9~10月に収穫します。種は30cm間隔で3粒ほど蒔き、土を2cmくらいかぶせます。1~2週間で発芽するので、その後はムギと同じように施肥して栽培します。収穫後は、殻を手で剥いて日干しにします。

ハトムギにはデンプン、タンパク質、脂肪油などが豊富で穀類の中でも栄養価が高く、また腫瘍抑制作用のあるコイクセノリドも含まれています。

漢方では昔から、水分代謝促進利尿健胃整腸鎮痙鎮痛排膿などの目的で繁用されています。胃腸虚弱や水分代謝異常のむくみ・排尿障害・下痢や、リウマチ・関節炎・神経痛どの痛みやしびれの改善肺腫瘍などに、他の生薬と混ぜて持ちます。

民間薬としては、いぼ取りの目的で、一日量として10~30gを煎じてお茶代わりに飲みます。いぼの中でも、水いぼに高い効果があります。焙じたものは更に香ばしくて飲みやすいので、幼児から大人まで幅広く使えます。胃腸虚弱や水分代謝異常のある場合、美肌目的で用いることもあります。

同じく民間療法で、高血圧に、ハトムギ10gとどくだみ20~30gを煎じて、お茶代わりに飲む方法もあります。

食品の薬膳的はたらきはとむぎ

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