ひがんばな

鱗茎を利用 花は観賞

ヒガンバナ(彼岸花)はヒガンバナ科の植物で、遺伝学上貴重な三倍体植物です。ヒガンバナは秋のお彼岸の頃、毒々しいほどの赤い花を咲かせ、翌年の春のお彼岸の頃、葉が枯れます。ヒガンバナの彼岸は、梵語の彼岸、つまり悟りを開いた涅槃のことですが、別名のマンジュシャゲ(曼珠沙華)も梵語で、「葉に先だって花を咲かせる」という意味があります。他にも別名が多く、全国で90以上に上るといわれています。

ヒガンバナは中国揚子江流域に多く、稲作とともに、朝鮮半島を経て日本に入ってきたと考えられます。日本では、北海道から沖縄に至る全土で、人家の庭、道端、堤防、田畑の畦などに群生しますが、人里以外では見られないため、古い帰化植物と考えられています。

現在、ヒガンバナは7種類あるといわれ、赤花以外にも白花、黄花などがあります。

薬用としては鱗茎を用います。生薬名を石蒜(せきさん)といい、外用としてのみ使用します。生のまま使用するので、必要な時に鱗茎を掘り起こし、使用する直前に水洗いして、外皮と根を取り除きます。

有毒なアルカロイドのリコリンを含むので、絶対に口にしないで下さい。誤って口にすると、嘔吐や下痢をします。昔は水に晒して毒抜きをし、食用にしたという話や去痰剤、吐剤として利用したという話もありますが、現在使用することはありません。

石蒜には、肩こり乳房炎乳腺炎腎臓病のむくみ腹部の水腫足の水腫に、外用として使用します。

肩こり・乳房炎・乳腺炎には、石蒜をすり潰し湿布します。

腎臓病のむくみ・腹部の水腫・足の水腫には、石蒜と唐胡麻(ヒマの種)をすり潰したものを同量混ぜ、土踏まずに貼ります。

肌の弱い人はかぶれる場合がありますので、どちらの場合も、さらしやガーゼに包んで貼るようにします。

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