| ひなたのいのこづち |
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ヒナタノイノコズチ(日向猪子槌)は、北海道を除く全国各地の山野や河川敷、路傍、荒れ地などに自生する多年草です。繁殖力旺盛で、秋になると胞果が人や動物などにくっついて運ばれ、落ちた場所に根付くため、あらゆる場所で見ることができます。
イノコズチの仲間には、イノコズチ、ヤナギイノコズチ、ハチジョウイノコズチ、ヒカゲノイノコズチなどいろいろな種類がありますが、最もポピュラーなものがヒナタノイノコズチです。ヒナタノイノコズチとイカゲノイノコズチは生える場所が日向か日陰か、また比べてみるとヒナタノイノコズチの方が太くて大降りという以外は、酷似しているため区別が難しいといわれます。ヒカゲノイノコズチは根も細く、薬用成分の含有量も低いため、薬用にはあまり用いません。 ヒナタノイノコズチは、枝分かれの多い四角い茎をしており、節の部分が隆起します。この隆起した部分が、牛の膝に似ていることから、生薬名を牛膝(ごしつ)といいます。草丈は50~90cmになります。対生する葉は15cmほどの楕円形で先が尖り、葉質は厚くて両面に産毛が生え、光沢がないのが特徴です。夏から秋にかけて茎の先端や葉腋から、緑色をした花穂を付けます。ひとつひとつの花は花被が乾燥した膜質をしており、花弁はありません。外側に3個の苞と5個の萼があります。開花後、苞の内の2個が鉤状に伸びた果実が、花軸に沿うように下向きに実ります。鉤状に尖った果実がいろいろなものにくっついて繁殖を広範囲にしています。果実の中には1個の種子があります。 内服には、ヒナタノイノコズチの根の部分を用います。採取は地上部の残る夏か、地上部の枯れた秋から冬にかけて行いますが、後者の場合、地上部が残っている間に目星を付けておくと掘り起こしやすいでしょう。掘り取った根はよく水洗いして日干しにします。外用には全草を用いるので、地上部が枯れない内に採取します。 イノコズチには、サポニン、カリウム塩、粘液質などが含まれます。この他、エクジステロンやイノコステロンなどの昆虫変態ホルモンも含まれます。 ヒナタノイノコズチを単独で使用することはあまりありません。漢方では主に、血行不良や汚い血液の停滞がある血お証の治療に用います。血お証が原因の月経不順、月経困難症、月経痛、PMSなどの婦人科疾患、腰痛、膝痛、脚気、むくみ、泌尿器症状などに、他の生薬と配合して用います。血虚証や津液不足など不足による症状では悪化する場合もあるので専門家に相談しましょう。 できものの膿出しや腫れを退かせるには、黒焼きにした全草をホウ酸軟膏と混ぜて貼るとよいでしょう。
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