いちい

葉を利用 水洗いして陰干し

イチイ(一位・櫟)はイチイ科の植物で、生薬名を一位葉(いちよう)、中国名を紫杉(シサン)と言い、北海道、本州、四国、九州に自生し、サハリン、南千島、朝鮮半島、中国、シベリアなどにも広く分布しています。

イチイの呼び方も様々で、クサギ、アララギ、オンコ、ミネゾ、アカミ、トガなどと呼ぶ地域もあります。一説には、平安朝以降、高官が儀式の時に持つ笏(しゃく)をこの木で作ったことから、一位すなわちイチイとなったともいわれています。

イチイは深山に自生する常緑の針葉樹で、庭木や生け垣としても栽培されています。樹皮は赤褐色で、葉は深緑色、雌雄異種で、3〜4月に花が咲きます。種子は緑色で、紅色多肉質の仮種皮に包まれており、仮種皮には素朴な甘味があります。材質が緻密でやや堅いことから、家具・床柱・彫刻・桶・弁当箱の材料として用いられることもあり、アイヌ族はこれで弓を作ったとも言われています。

葉の採取時期はいつでもかまいませんが、水洗いした後、日干しにして保存します。

イチイの葉にはアルカロイドのタキシン、フラボノイドのクエルセチン・スチアドピンなどを含みます。

薬用としては乾燥させた葉を排尿困難生理不順糖尿病などの治療に用いることができます。利尿通経には、葉を乾燥させたもの3〜6gを1回量として、水300mlで半量に煎じて服用します。糖尿病には葉を乾燥させたもの1日量5〜20gを、水400mlで半量に煎じ、これを2回に分けて服用します。

この他、赤い実は、1日5〜10gを煎じて服用すると咳止め下痢止めとして使用することもできます。

アルカロイドを含むので、規定量以上は使用しないでください。

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