きぶし

小枝を利用

キブシ(木五倍子)は、全国各地の山野に自生する雌雄異種の落葉低木です。高さは2~4mほどで、3~4月、枝から房のように垂れ下がった花茎に白色、淡緑色、黄色などの多数の小花が穂状に付くので、まだ花の少ない山野を華やかに彩ります。1つの花は花弁と萼片が各4枚、雄蘂が8本からなります。花が終わると葉が出ます。果実は直径が7~8mmで楕円形から円形をしたものが房状に実ります。

キブシは漢字で「木五倍子」と書きますが、これはキブシがヌルデのムシコブである五倍子(ごばいし)の代用品として使われていたことに由来します。江戸時代、既婚女性は歯を黒く染めるお歯黒という習慣がありましたが、お歯黒には五倍子すなわち「フシ」を粉末にしたものと、と鉄漿を合わせたものが使われていました。フシにはタンニンが多く含まれ、これが鉄イオンと反応して黒く発色します。キブシにもタンニンが多く含まれるため、入手しやすいキブシの果実がフシの代用品として繁用されました。つまり木のフシがキブシとなった訳です。この他、マメブシマメンブシという地方もありますが、これもフシの代用から派生した呼び名です。

またズイノキツキダシという別名もあります。キブシの枝の切り口を見る、と中心に白い芯があるのが分かりますが、枝を切って中心を押すと芯の部分だけが出てきます。芯の部分が髄に似ているので、このような呼び方ができたと思われます。

キブシは生薬名を通条樹(つうじょうじゅ)といい、小枝の部分を薬用として用います。夏から秋にかけて採取し、細かく刻んで日干しにします。葉は付いたままでも構いません。

キブシの若葉にはアントシアニン系のシヤニジン色素が含まれます。

キブシの方言名のひとつにムクミというのがありますが、キブシには利尿効果があり、名前の通りむくみなどに用いられます。一日量として4~8gを水400ccで1/3量になるまで煎じ、一日3回毎食前か食間に服用するといいでしょう。

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