| きはだ |
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キハダはミカン科の雌雄異種の落葉性高木で、日本全国の山地に自生します。日本国内では大きく分けて5種のキハダが自生しています。全国に分布するキハダ、北海道を中心に東北各県、栃木、埼玉、東京、山梨、長野の一部に分布するヒロハキハダ、栃木、東京、神奈川、静岡に分布するオウバノキハダ、北海道、福島、栃木、埼玉、山梨に分布するミヤマキハダ、栃木のみ見られるニッコウキハダです。
キハダは植えてから15~20年で伐採できますが、最近では伐採するものの植樹をすることが少なくなり、輸入品に頼っているのが現状です。キハダは成長すると、大きいものは15~20メートルにもなります。葉は奇数羽状複葉で対生し、小葉は広按形で細鋸葉縁の長尖頭をしています。夏に黄緑色の小花を付け、秋には球形の実を結びます。 キハダは生薬名を黄柏(おうばく)といいます。昔は黄檗と書き、おうへぎとも読みました。昔から、漢方薬、民間薬では繁用されてきましたが、大衆薬としても、またベルベリン原料としても需要の高い医薬品です。漢方薬では、内服薬として黄連解毒湯や知柏地黄丸などに、外用薬として中黄膏などに用いられます。大衆薬では、信州や飛騨の百草、大和の陀羅尼助、山陰の煉熊が有名です。 また黄褐色の芯材は、軟らかいのに強度に優れているため、床柱、床板、屋根板など建材としても用いられます。『千と千尋の神隠し』に出てくる湯屋のモデルになった、目黒雅叙園の百段階段にある一室にも床柱としてキハダが使われています。また木目の美しさから、箪笥からお椀まで、工芸品の材料としても広く使われます。 キハダは内皮を薬用に用います。キハダの幹や枝は一見堅そうに見えますが、樹皮の上皮はコルク質で弾力があり、夏に幹や枝を伐採し、この部分を剥がして内皮を採取します。剥がしたものは日干しにします。生きたキハダから広範囲に外皮を剥ぎ取ると木が生きられなくなります。枝などを伐採するか、そうでなければ少量だけ取るようにしましょう。 キハダから生成されるベルベリン塩酸塩には、チフス・赤痢・コレラ・大腸菌・淋菌などに対して殺菌作用があることが解っています。 健胃・整腸・消炎・止瀉・強壮には、一日分として、乾燥した内皮3gを煎じるか、1gを粉末にして服用します。 打撲・捻挫などの外傷には、乾燥した内皮の粉末を酢で練って湿布するとよいでしょう。 手足のほてりなどには、同量のキハダとチモ(ハナスゲの根茎)を煎じて飲むと良いでしょう。 キハダ酒を作っておけば、内服、外用のどちらにも応用できます。
【キハダ酒の作り方】
キハダ50gと35°の焼酎1.8リットルを瓶に入れて冷暗所で保存する。 |