くちなし

果実を利用 一重咲きの花のみ結実

クチナシ(山梔子)はアカネ科の常緑低木の植物で、日本では伊豆半島から西沖縄にかけての海岸近くの山野に自生しているものを見ることができます。 梅雨時に白い花を付け、あたりに甘い香りを漂わせるので、花が見えなくても、近くにクチナシの花があることがすぐわかります。花には大きいもの、小さいもの、一重のもの八重のものなどがありますが、八重咲きのものは実を付けません。

どちらも花は生のまま、あるいはさっと湯がいて食べることができます。

秋から初冬にかけてなると、黄紅色の実を付けますが、裂け目がないことから口無しと呼ばれるようになったということです。 この名前から「就職の口が無い」とか、「庭木にすると出入り口が無い」とか言って嫌う人もいますが、香りのよい花は結婚式の飾り付けにも使われるくらいですから、昨今ではあまり気にしないということでしょう。

クチナシの実の採集は10〜11月頃行います。よく熟した果実をつみ取り、日干しか日陰干しでよく乾燥させてから保存します。

乾燥させた果実は山梔子(さんしし)と呼ばれ、薬用以外にも、飛鳥・天平時代から、布を黄色に染めるのに使われていました。現在も、お正月の栗きんとんなど料理の色づけに使われています。

成分としては、イリドイド配糖体のゲニポサイドやカロチノイド色素のクロチンなどが知られています。

薬用としては炎症を抑える働きがあり、外用あるいは内服で使用します。腫れ物捻挫・打撲による痛みには、5〜6個分のサンシシを粉末にして、これに卵白を徐々に加えて練り上げたものを患部に厚く塗り、ガーゼを当てます。患部が乾いたら、何回でも交換します。 更に、黄柏(おうばく・キハダ)を粉末にしたものを加えると、さらに良い治療効果を上げることができます。

内服では目の充血口の苦みノドの乾きイライラ尿が黄色く出しぶるできものはれもの黄疸などの症状がある場合に使用します。 山梔子を適当な大きさにつぶしたもの3〜9gを400mlの水で半分になるまで弱火で煎じ、これを1日3回に分けて服用します。熱や炎症が強い場合には、黄柏(おうばく・キハダ)茵陳蒿(いんちんこう・カワラヨモギ)などを加えると、治療効果を高めることができます。

庭木としても園芸店などで販売されていますが、薬用として実を採りたい場合は、一重のものを選んでください。

食品の薬膳的はたらきくちなし

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