くこ

果実・根・葉を利用

クコは中国原産のナス科の落葉低木で、我が国をはじめ朝鮮半島、台湾、北アメリカなどにも移入され、国内では海沿いや河原の土手、山野などに広く自生しています。『神農本草経』にも記載があるように、古くから漢方薬としても、民間薬としても幅広く用いられてきたポピュラーな生薬の一つです。日本では、平安時代に貴族が愛用していたとの記述も残っています。また近年、万病に効くとブームになったことがあり、あちこちの自生地で絶滅する事態が発生したとの報告もあります。

クコは数mm~10mmの太さの枝が1mほどにまで上向きに伸び、1~2cmの棘と2~5mmの葉が互生します。夏に薄紫の花を付け、秋には卵形の赤い実を結びます。

春、若芽は山菜として重宝され、ごはんに混ぜて炊き込んだり、お浸し、和え物、てんぷら、みそ汁、青汁などいろいろな調理法で楽しむことができます。

クコは副作用のない滋養薬・強壮薬とするものをよく目にしますが、これは大きな間違いです。漢方薬、民間薬とも、体質、気候風土、症状などに合っていない場合は、体調を崩したり、症状を悪化させることがあり、クコも例外ではありません。

クコは薬用として果実、根の外皮、葉を用い、生薬名をそれぞれ枸杞子(くこし)地骨皮(じこっぴ)枸杞葉(くこよう)といいます。果実は秋に、根は夏から秋に、葉は夏に、若葉の場合は春に採取します。果実や葉は水洗いして日干しにします。根はよく水洗いした後、一晩米の研ぎ汁に漬けてから外皮を剥ぎ取って乾燥させます。

果実にはベタイン、ゼアキサンチンが、葉には葉緑素、VB1・B2・Cが、根にはベタイン、リノール酸などが含まれます。

漢方では、枸杞子は肝腎を補い、肺を潤し、目のはたらきをよくするとされ、地骨皮は血液の熱を冷ましてほてりを抑えたり、肺の熱を冷ますとされています。加齢などによる肝腎不足や、体液や血液の不足による症状に用います。

高血圧や動脈硬化の予防には、クコの葉または根を一日量として5~10gを煎じたものを呑むとよいでしょう。

体液不足や潤い不足が原因の疲労・低血圧・便秘などにはクコの実を煎じたり、クコシ酒を作って飲むといいでしょう。

解熱・消炎・利尿には、クコの根の皮を煎じたものやジコッピ酒を飲むといいでしょう。

【クコシ酒の作り方】
クコシ200gと氷砂糖300gをホワイトリカー1.8Lに漬け、3ヶ月以上冷暗所で寝かせる。

【ジコッピ酒の作り方】
ジコッピ300gを細かく削り、氷砂糖300gと一緒にホワイトリカー1.8Lに漬け、3ヶ月以上冷暗所で寝かせる。

食品の薬膳的はたらきクコの実

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