| さくら |
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サクラは日本を代表するバラ科の落葉樹です。古くは『古事記』『日本書紀』にも記述が見られ、平安時代・嵯峨天皇の御代には既に観桜の宴が催されていたようです。江戸時代になって、この習慣が庶民にも広まり、現在のお花見として確立されました。現代、ソメイヨシノがサクラの代名詞のようになっていますが、これは伊豆半島に自生するエドヒガンとオオシマザクラの自然交配でできたもので、江戸時代後期、駒込染井の植木職人が売り出して広まった案外新しい品種です。これ以前は、サクラといえばほとんどがヤマザクラを指しました。またサクラの品種は園芸種だけでも百を超え、色も形もソメイヨシノとは違うものがたくさんあります。
サクラの名前の由来には諸説あります。松が歳神様の降りる目印であるように、サクラは「サ」と呼ばれる稲作の神様が降りてくる場所、つまり「坐(クラ)」であり、これがくっついて「サクラ」となったという説。『古事記』『日本書紀』に登場する木花之佐久夜毘売(コノハナサクヤヒメ。木花咲耶姫、木花開耶姫とも)の「サクヤ」が訛ったという説。たくさんの花が咲く様子から、「咲く」と複数形を表す「ら」をくっつけたという説。この他まだまだあるようですが、これもサクラが昔から日本人に愛されてきた証拠といえるでしょう。 サクラの花や葉を塩漬けにして、桜餅を包んだり、桜茶として頂くことは有名です。葉の独特の芳香は、葉に含まれるクマリン配糖体が、塩漬けして保存されう間にゆっくり分解されることにより醸し出されるもので、生の葉からは感じることができません。樹皮は伝統工芸に用いられますが、日本漢方や民間療法ではお薬としてもよく利用さ、生薬名を桜皮(おうひ)といいます。桜皮を用いた日本漢方の処方では、華岡青洲考案の十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)が有名です。 桜皮の採取は6~7月に行います。樹皮のコルク層を除き、内補だけを取って日干しにします。直径3~5cmの枝の緑色をした内皮が適します。生きたサクラから樹皮を剥がすと木が生きられなくなるので、絶対に採らないよう注意しましょう。 腫れ物・おでき・湿疹・じんましん・アレルギー性皮膚疾患・水虫・中耳炎・リンパ腺炎などの皮膚疾患や炎症、咳などには、乾燥した樹皮3~5gを煎じて飲むとよいとされます。腫れ物やおできには、煎液を服用するだけでなく、患部に塗ってもよいでしょう。 ある種のきのこによる食中毒・二日酔い・打撲には、乾燥した樹皮10gを煎じて飲むとよいでしょう。二日酔いには樹皮の黒焼もよいとされます。 |