さんざし

偽果・種子・葉を利用 薬用以外も庭木・盆栽など栽培種のみ

サンザシ(山査子・山楂子)はバラ科の落葉低木で、江戸時代に薬用目的で栽培されるようになった外来種です。現在でも庭木や盆栽として用いられますが、野生種は国内にはないとされています。八代将軍・徳川吉宗の命により、外国産の薬用植物の栽培が盛んになった享保年間に、サンザシも多く栽培されるようになりました。

サンザシは同じバラ科のピラカンサに、枝や花などがよく似ています。互生する葉は鋸状で倒卵形のため、ピラカンサと見分けるポイントになりますが、枝分かれが多く棘のある木はピラカンサのようです。4~5月に直径2cmほどの白い5弁の花を付けますが、20本の雄蘂が密生する様などは、大降りのピラカンサのようです。秋に実る偽果もピラカンサより二回りほど大きいですが、黄色や赤色の球形でよく似ています。そのままでは渋くて食用には不向きなため、中国では蜜で固めた甘い菓子や果実酒にします。

薬用には主に偽果を用いますが、生の葉も利用できます。偽の採取は、偽果が完熟する直前の10月頃に行い、日干しにします。

漢方薬では、種子の部分を山査子(山楂子)といい、種子を除いた偽果を山査肉(山楂肉・さんざにく)といい、主に肉類や油脂類の消化を助ける目的で使用します。中国漢方では、炒った麦芽(ばくが)や神麹(しんぎく・ふすま)と一緒にして焦三仙(しょうさんせん)、更に炒った檳榔子(びんろうじ)を加えて焦四仙(しょうせいせん)といい、消化不良になどに用います。

サンザシの偽果には、黄色や赤色の色素であるカロテンをはじめビタミンB2・C、クエルセチンなどのフラボノール、クロロゲン酸などのタンニン、カフェー酸などのフェノールカルボン酸、オレアノール酸などのトリテルペンなどいろいろな成分が含まれます。

消化促進・健胃・整腸・二宿酔い・食あたりには、乾燥した偽果5~8gを煎じて服用するとよいでしょう。

偽果は蛋白質の消化を助けるはたらきがあるので、肉の下拵えに乾燥した偽果や果実酒を使うと、肉を軟らかくすることができます。

生の葉は、鶏肉や魚の毒消しに用います。

漢方では偽果を消化剤として用いる他、血行促進血栓予防にも用います。

 食品の薬膳的はたらきさんざし

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