うやく

天台烏薬・塊根を利用 衡州烏薬

テンダイウヤク(天台烏薬)は中国渡来のクスノキ科の常緑低木です。原産は中国南部で、天台山産のものが高品質だったことから、「天台烏薬」と呼ばれるようになりました。『本草綱目啓蒙』に「享保年間中薬種二品渡ル天台烏薬と衡州烏薬ナリ」とあり、1720年頃日本に入ったと考えられます。国内でも和歌山や鹿児島のごく限られた温かい地域に自生します。庭木などにも用いられるので街中でも目にすることができます。

ウヤクは雌雄異株で、幹は直立形で細かく分枝します。葉は互生し、基部と先端が尖った楕円形で柄があります。若葉には産毛が密生しますが、成長するに従い毛がなくなり、光沢のある革質となります。春に淡黄色の小さな花を付け、秋には赤褐色から黒色をした小粒の果実を結びます。苗木も販売されていますが、園芸用に栽培するには、熟し切る前の果実を採取して蒔くと、翌年の初夏に発芽します。

生薬名は単に烏薬(うやく)といいます。漢方薬の中には、天台烏薬散(てんだいうやくさん)烏薬順気散(うやくじゅんきさん)など、ウヤクを主薬にした処方も多く見られます。

薬用には、根の膨らんだ塊根を使用します。春か秋に根を掘り起こし、根を一本ずつばらして水洗いし、日干しにします。

成分としては、リンデロール、リンデラン、リンデレン、ボルネオールなどの精油成分が含まれます。

芳香性苦味健胃薬鎮痛剤として、5~8gを煎じてお茶代わりに服用します。この他、軽度の脳卒中の後遺症の近く鈍麻悪寒頭痛にも用いることができます。

婦人の情緒不安定月経不順更年期障害感冒などには、烏薬3g・香附子6g・陳皮2g・干姜2g・蘇葉2gを一緒に煎じて服用するとよいでしょう。

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