やぶらん

塊根を利用

ヤブランは東南アジアに自生するユリ科の常緑の多年草で、日本では関東以西の山野や庭園などで見ることができます。日陰を好むため、山野では薄暗い場所に株を作ることが多く、庭園でも庭木の根本や下草として繁用され、日当たりの悪い場所でもよく育ちます。

葉は地面から立ち上がって弓状にに曲がり、表は光沢のある深い緑色、裏には白い筋があります。栽培品では斑入りのものや、クリーム色の縁取りのあるもあります。夏から秋にかけて、薄紫の小さな花が直立した茎に密集して咲きます。晩秋に、濃緑色から黒色の丸い実を結びます。ヤブランの根には、所々紡錘形に膨らんだ塊根があります。この塊根を麦門冬(バクモンドウ、ジャノヒゲ)の代用にするため、ヤブランの生薬名を大葉麦門冬(おおばばくもんどう)といいます。ヤブランとジャノヒゲの違いは、花の付き方を見るとわかります。ヤブランの花茎が直立するのに対し、ジャノヒゲの花茎は俯きます。また塊根もヤブランの方が大きいのが特徴です。

ヤブランのギリシャ語名をリリオーペといい、ギリシャ神話に出てくるニンフから名付けられました。ナルシストの由来になったナルキッソスの母で、母子そろって花の名前になりました。この他日本では、リュウノヒゲボンバナとも呼ばれます。

塊根の採取は秋から春にかけて行います。こぶ根を掘り出し、よく水洗いして日干しにします。

麦門冬の代用品なので、麦門冬同様、去痰止咳滋養強壮に用いられます。空咳痰が絡んで切れない場合、また体液不足で体力の低下がみられる場合に、乾燥した塊根を煎じて飲むとよいでしょう。

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