心には2つの大きな生理機能があります。
- 心主血脈
- 心主神志
主血脈(しゅけつみゃく)作用とは、主血作用と主脈作用を合わせたもので、血液を作り、全身に循環させる作用をいいます。
心気の気化作用や推動作用が充分で、心血が充実していれば、心拍や脈拍に力があって血流がスムーズで、全身を営養することができます。しかし、心気や心血の不足があると、動悸、息切れ、顔色が悪い、血流低下などの症状が現れます。
神志(しんし)とは、精神・意識・思惟活動のことを指し、神明(しんめい)とも表現します。精神活動そのものを神(しん)といい、神は両親から受け継いだ有限の生命エネルギーである腎精から作られ、心を拠とします。そして、神も身体同様、心気に守られ、心血に養われて、正常に機能することができます。心が神を正常に機能させるはたらきを主神志(しゅしんし)作用といいます。
主血脈作用が正常であれば、主神志作用も正常で、心身ともに健康を維持できます。しかし、主血脈作用の低下は身体だけでなく、精神活動にも影響し、不眠や不安感などが表れます。