【七情】影響を受けやすい臓腑

それぞれの感情変化には傷つきやすい臓腑がありますが、感情変化の種類に関係なく、七情は心・脾・肺に強く影響を及ぼします。

  • 中医学では精神・意識・思惟活動を神といい、心にはこの神を正常に機能させる主神志作用があります。また血液を作って全身に循環させる主血脈作用もありますが、主神志作用には血が不可欠です。心は精神・意識・思惟活動を主宰するため、最もダイレクトに七情の影響を受けやすい臓腑といえます。

    七情の影響を受けるとこれらの作用が低下するため、過度のストレスや心配があると、動悸、不眠、夢が多い、不安感、胸騒ぎ、錯乱、恍惚、感情表現の低下などの症状が現れます。


  • 過度のストレスや悩みで食欲不振や大便の不調など消化器症状がよく見られるのは、飲食物から生理活動に必要な気血津液を作る脾の運化作用を失調させるためです。運化作用が失調すると食欲不振、お腹の脹り、悪心、嘔吐、下痢や軟便、便秘と下痢が交互に現れるなど胃腸に不調が現れます。

    脾主後天ともいわれ、脾が飲食物から作ったものによって人体は養われることで正常に機能します。脾の機能失調は脾だけに留まらず、長い目でみると生命活動全般に影響が及びます。


  • 肝は五行の木に属し、樹木のように伸びやかでリラックスした状態を好みます。過度のストレスや緊張は肝のリラックスを妨げ、肝の機能失調を引き起こします。

    情志活動、消化吸収、気血の運行がスムーズになるようコントロールする疏泄作用が低下すると、精神抑鬱、イライラ、ため息、のどの閉塞感、お腹の脹り、胸や脇の詰まりや脹りを伴う痛み、月経不順などが、血液をストックし、血流量を調節する蔵血作用が低下すると、顔色が悪い、髪や爪のダメージ、めまい、視力低下、筋肉のけいれん・しびれ・震えなどが現れます。