陽勝則陰病:陽勝れば則ち陰病む

ここでいう陽とは陽熱(ようねつ)を指します。

陽熱とは、過剰な暑さや外部の熱、食餌の不摂生やストレスによって生じる病気の原因となる熱のことです。

これに対して、とは、体液血液など人体の構成成分であり、生理活動に欠くことのできない液体成分を指します。

人体が陽熱を受けたり、人体に陽熱が蓄積したりすると、体液成分を消耗し、潤い不足や血液がドロドロに煮詰まるなど陰に影響を及ぼします。いわば火力が強すぎて鍋の水分が蒸発し、鍋のスープが煮詰まった状態です。火力を弱めるだけではスープは煮詰まったまま、鍋に水を加えるだけではまた煮詰まってしまいます。そこで、治療は火力を弱めるとともに鍋に水を足すように、陽熱を冷ますことと体液成分を補うことの2つの方法を併用します。

酷暑の炎天下に長時間いると、のどが渇いて冷たいものを欲しがる、尿量減少、動悸、筋肉の痙攣、意識障害などが起こります。この場合は、暑さを冷まして取り除く牛黄(ゴオウ)などの生薬と、体液を補う麦味参顆粒などを併用して治療を行います。物理的にも太い血管が通る頸動脈・腋の下・足の付け根などを保冷剤で冷やし、経口補水液などで水分補給することでより早く回復させることができます。