【労逸】概念と分類

病因のうちで生活習慣が原因となるものを労逸(ろういつ)といいます。

  • 労力過度(ろうりょくかど)
  • 過度または長期にわたる肉体労働。

    労力過度では気血を消耗するので、倦怠感・脱力感・息切れ・体が痩せる・気力低下などの症状が現れます。

    過労だけでなく、無理な運動も労力過度となって気血を損ないます。

  • 労神過度(ろうしんかど)
  • 過度または長期にわたる思慮。主に心配や心労。

    労神過度はを傷つけます。

    心に影響すると心血が消耗され、主神志作用が低下してを養えなくなるため、動悸・不安感・健忘・夢が多い・不眠などの症状が現れます。

    脾に影響すると運化作用が失調し、食欲不振・すぐ満腹になる・お腹の脹り・軟便などの症状が現れます。

    全身を養う心血の消耗は二次的に脾にも影響を及ぼします。心血が脾を充分に養えなくなると脾の運化作用が失調します。脾は運化作用によって気血を生成しているため、運化作用の失調は二次的に心血の不足を招きます。このような状態を心脾両虚(しんぴりょうきょ)といいます。

    うつの中医学的な原因のひとつに心脾両虚があります。

  • 房事過度(ぼうじかど)
  • 節度のない性交渉。

    節度のない性交渉は腎精を消耗するため、足腰のだるさ・まめい・耳鳴り・無気力・ED・月経異常・おりものの異常・不妊などが現れます。

    遊郭で働く女性の足腰の弱りや無気力は腎精の不足によるものです。

  • 安逸過度(あんいつかど)
  • 長期にわたる運動不足。

    運動不足により気血の流れが停滞するとともに、の機能失調が起こります。人体に必要なものの生成と循環ができず、全身の機能が低下するため、食欲不振・倦怠感・脱力感・筋力や抵抗力の低下・気力低下・ちょっと動くと息切れや動悸がするなどの症状が現れます。

    運動不足による生活習慣病やフレイルがこれに当たります。