陰勝則陽病:陰勝れば則ち陽病む

ここでいう陰とは陰寒(いんかん)を指します。

陰寒とは、気候変化や環境からの寒さや、熱エネルギー不足によって起こる身体の冷えなど病気の原因となる寒さや冷えをいいます。

陽気(ようき)のことで、体を温め、体温を維持し、生理機能を促進する人体の熱エネルギーを指します。

冬になると小川の水が凍って流れが止まるように、寒さは生理活動に必要なものを凝り硬めて停滞させ、皮膚・筋肉・血管などを収斂して気血の流れを悪くします。陽気不足は陽虚(ようきょ)ともいい。体が冷えて代謝や血流が低下し、生理活動全般に支障が起こります。外部から受けた寒さは陽気を損ない、陽虚では外部の寒さが影響しやすくなります。

寒さの影響を受けた場合はこれを取り除くことで治療を行います。陽虚では陽気を補うとともに、体を温めて代謝や血行を促進します。

寒さによるかぜや寝違いなど急性の症状は、葛根湯や麻黄附子細辛湯など、体を温めて寒さを散らすお薬を服用して発汗することで改善します。陽虚では慢性的な症状が起こりやすく、脾陽虚では食欲不振や軟便が、腎陽虚ではむくみや大小便の異常が現れますが、どれも冷えを伴うか冷えによって悪化します。脾陽虚では人参湯や附子理中湯など脾を温めて調えるものを、腎陽虚では牛車腎気丸や真武湯など腎陽を補って水液代謝を促進するものなどで治療します。