【病機】陰陽失調・経絡失調・臓腑失調

陰陽・経絡(けいらく)・臓腑の失調は多岐にわたるため、ここでは概要に留め、中医診断学で詳しく説明します。

  • 陰陽失調
  • 陰陽とは中医学の基礎となる平衡性のことで、陰陽のバランスが取れた状態を健康といい、バランスが崩れ失調した状態が病気です。

    陰陽
    気血
    津液

    陽気
    寒熱
    邪気陰邪=寒邪・湿邪・涼燥陽邪=風邪・暑邪・熱邪・温燥
    体内失調実寒証
    陽虚証=陽気不足
    実熱証
    陰虚証=津液不足

  • 経絡失調
  • 経絡とは気血津液の通り道で、全身を縦横無尽に走り、臓腑・器官・組織などと連絡して全身を統一するはたらきがあります。経脈(けいみゃく)は人体を上下に流れる幹線絡脈(らくみゃく)経脈から派生して縦横に網状に分布するものをいい、これを合わせて経絡といいます。

    経絡を流れる気血の盛衰や運行の失調は、その経絡が通る部位や関連する臓腑・器官の発病の原因となります。

  • 臓腑失調
  • 臓腑の機能の失調、臓腑の気血の失調、臓腑の陰陽の失調は発病の原因になります。単独で失調することもあれば、臓と臓、臓と腑にまたがって失調することもあります。ここでは主に臓腑単独の代表的な失調を表にまとめました。

    臓腑病証治療法則
    肝血虚証(かんけっきょしょう)補肝血(ほかんけつ)
    肝陰虚証(かんいんきょしょう)補肝陰(ほかんいん)
    肝気鬱滞証(かんきうったいしょう)疏肝解鬱(そかんげうつ)
    肝火上炎証(かんかじょうえんしょう)清肝瀉火(せいかんしゃか)
    寒滞肝脈証(かんたいかんみゃくしょう)暖肝行気(だんかんこうき)
    肝陽上亢証(かんようじょうこうしょう)平肝潜陽(へいかんせんよう)
    肝陽化風証(かんようかふうしょう)平肝熄風(へいかんそくふう)
    肝胆湿熱証(かんたんしつねつしょう)清利肝胆湿熱(せいりかんたんしつねつ)
    心気虚証(しんききょしょう)補心気(ほしんき)
    心陽虚証(しんようきょしょう)補心陽(ほしんよう)
    心血虚証(しんけっきょしょう)補心血(ほしんけつ)
    心陰虚証(しんいんきょしょう)補心陰(ほしんいん)
    心火亢盛証(しんかこうせいしょう)清心瀉火(せいしんしゃか)
    心血瘀阻証(しんけつおそしょう)活血化瘀(かっけつかお)
    痰迷心竅証(たんめいしんきょうしょう)理気化痰開竅(りきかたんかいきょう)
    痰火上擾証(たんかじょうじょうしょう)清熱化痰開竅(せいねつかたんかいきょう)
    小腸小腸実熱証(しょちょうじつねつしょう)利尿瀉熱(りにょうしゃねつ)
    脾気虚証(ひききょしょう)健脾益気(けんぴえっき)
    脾陽虚証(ひようきょしょう)温中散寒(おんちゅうさんかん)※
    脾気下陥証(ひきげかんしょう)益脾昇提(えきひしょうてい)
    脾不統血証(ひふとうけつしょう)益気摂血(えっきせつけつ)
    寒湿困脾証(かんしつこんぴしょう)燥湿健脾(そうしつけんぴ)
    湿熱蘊脾証(しつねつうんぴしょう)清熱化湿(せいねつかしつ)
    胃陰虚証(いいんきょしょう)滋補胃陰(じほいいん)
    胃寒証(いかんしょう)温中散寒(おんちゅうさんかん)※
    胃熱証(いねつしょう)清胃瀉火(せいいしゃか)
    肺気虚証(はいききょしょう)補肺益気(ほはいえっき)
    肺陰虚証(はいいんきょしょう)滋陰潤肺(じいんじゅんぱい)
    風寒束肺証(ふうかんそくはいしょう)辛温解表(しんおんげひょう)
    平喘止咳(へいぜんしがい)
    風熱犯肺証(ふうねつはんはいしょう)辛涼解表(しんりょうげひょう)
    疏散風熱(そさんふうねつ)
    燥邪犯肺証(そうじゃはんはいしょう)疏風清熱(そふうせいねつ)
    潤燥止咳(じゅんそうしがい)
    大腸大腸湿熱証(だいちょうしつねつしょう)清利湿熱(せいりしつねつ)
    大腸津虧証(だいちょうしんきしょう)潤腸通便(じゅんちょうつうべん)
    腎陽虚証(じんようきょしょう)温補腎陽(おんぽじんよう)
    腎陰虚証(じんいんきょしょう)補腎陰(ほじんいん)
    腎精不足証(じんせいぶそくしょう)補腎益精(ほじんえきせい)
    腎気不固証(じんきふこしょう)固腎摂精(こじんせつせい)
    固腎祝尿(こじんしゅくにょう)
    固腎止血(こじんしけつ)
    腎不納気証(じんふのうきしょう)補腎納気(ほじんのうき)
    膀胱膀胱蓄水証(ぼうこうちくすいしょう)利水滲湿(りすいしんしつ)
    通陽気化(つうようきか)
    膀胱湿熱証(ぼうこうしつねつしょう)清熱利湿(せいねつりしつ)

    ※脾胃は中焦にあるため脾胃を温めることを温中といいます。脾気下陥証は中気下陥証ともいいます。